土方歳三の愛刀は、いわずと知れた和泉守兼定です。
由緒正しい会津の刀工、11代目・和泉守藤原兼定の作。
土方歳三はこれを、会津藩主・松平容保公より拝領しました。
遺された愛刀が物語る、土方歳三の激しい戦い
土方は、戊辰戦争に敗れ、もう刀で戦う時代が終わった事をとっくに悟ってしまった後も、この兼定を帯びて転戦を続けました。
最後の戦いの地である函館では、攻めて来る700名の敵を300名の軍勢で迎え撃ち、16時間にも及ぶ戦いを制して、新政府軍を退けるなど、目覚しい活躍をみせつつも、とうとう明治2年5月、戦死します。
遺品として彼の生家に届けられた兼定は、刃が零れ、柄糸が擦り切れ、生前の土方歳三が潜り抜けた戦いの凄まじさを物語るかの様な姿だったそうです。
土方歳三の愛刀が之定というのは、フィクション
和泉守兼定といえば、2代目の之定が有名で、細川忠興や柴田勝家、明智光秀などの名だたる武将がこの之定を所有していますが、歳三の所有していたものは、2代目ではなく11代目のものです。
名作「燃えよ剣」では、歳三の愛刀が2代目の之定だと描かれていますが、新選組副長という立場で、国持ちの大名が持つような刀をおいそれと買えたとは考えにくいので、これは総司の菊一文字同様、フィクションですね。
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